特集
大麦についてどれくらい知っている?
今回、管理栄養士・栄養士を対象に、大麦に関する認知度を調べるアンケートを実施しました。
結果では「大麦と小麦の違いを説明できる」と回答した方は約3割、「大麦の栄養を知っている」と回答した方は約4割にとどまりました。一方で「大麦を加工した大麦製品(丸麦、押麦・胚芽押麦、米粒麦、白麦)を知っている」と回答した方は57.7%と最も多く、商品としての認知度は高い傾向にあります。しかし、全体の約3割は「大麦を詳しく知らない」と回答しました。
この結果から、大麦の魅力を探り、日々の食事や管理栄養士・栄養士の業務に活かすヒントをお届けします
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大麦を解説!麦の分類
日本で栽培される食用の麦は「小麦」と「大麦」がよく知られています。名称に大小がつくことから粒の大きさの違いを想像するかもしれませんが、実は粒の大きさとは関係がありません。
小麦と大麦は栄養成分こそ似ていますが、用途はまったく異なります。小麦はパンや麺などに使われ、「グルテン」というたんぱく質によって粘りや弾力が生まれます。一方、大麦に含まれるたんぱく質は「ホルデイン」で、粘りはありませんが吸水性が高く、お米と一緒に炊くとふっくらと仕上がります。
この性質の違いから、小麦粉はパンや麺に、大麦は麦ごはんやスープなどに適しています。
また、大麦は加工方法によって「丸麦」「押麦・胚芽押麦」「米粒麦」「白麦」に分かれ、食感や調理時間もさまざまです。料理や目的に合わせて選ぶことで、大麦の魅力をよりおいしく楽しむことができます。
大麦を解説!食物繊維に着目
大麦には、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」がバランスよく含まれています。
そして、近年新たな食物繊維の概念として注目されているのが、大腸の中で発酵して「短鎖脂肪酸」をつくり出す「発酵性食物繊維」です。
発酵性食物繊維には、β-グルカンやペクチンなどの水溶性食物繊維、ヘミセルロースなど一部の不溶性食物繊維が含まれます。
乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などの有用菌は、発酵性食物繊維を発酵・分解する際に「短鎖脂肪酸」を生成します。近年では、この短鎖脂肪酸が代謝を調節したり、食欲を制御したりすることが分かっており、肥満予防にも重要な役割を果たしている可能性が示されています。
腸から全身の健康を支える大麦の食物繊維は、まさに現代人にうれしい「内側からの健康素材」といえます。
食事指導での活用は?
内臓脂肪や血中総コレステロール、血糖値などの数値へのアプローチとして、生活習慣病の予防・改善を目的とした食事指導においても、大麦は有用な食材です。
コレステロール値が高めの人が大麦ごはん(β-グルカン摂取目標:7.0 g/日)を12週間継続して摂取すると、内臓脂肪や血中総コレステロールが低下することが確認されています。
さらに、大麦のGI値(食後血糖値の上昇を示す指標)は、代表的な穀類の中でも低いことがわかっており、大麦摂取後の血糖値が極めて上がりにくいことが示されています。
白米の一部を大麦に置き換えたり、スープに加えたりするなど、無理なく続けられるレシピも豊富にあります。普段の食事指導の際に、生活習慣病予防や体調管理に役立つ「身近な健康食材」として、大麦の活用を提案してみてはいかがでしょうか。
<本アンケート概要>
調査対象:Eatreat に会員登録している管理栄養士・栄養士
回答者数:111名
実施期間:2025 年 10 月
調査期間:Eatreat株式会社
レシピ募集
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