特集
大麦の活用状況を知る
管理栄養士・栄養士を対象に実施したアンケートでは、102名が大麦の栄養素として最も「食物繊維」をイメージしており、「大麦=食物繊維」という認識が圧倒的でした。食事指導で活用できそうなシーンとしては、「便秘改善」や「血糖値のコントロール」が上位を占め、大麦が“腸活”や“糖代謝ケア”に役立つ食品として期待されていることがうかがえます。
一方で、実際の活用状況を見ると主食として取り入れる人は多いものの、「間食・補食での活用」は半数以下に留まっています。知識としての認知度は高い一方で、食べ方やタイミングのバリエーションは十分に広がりきっていない状況が浮き彫りになりました。このような現状を踏まえて、もっと身近に大麦を日常に取り入れるヒントを探っていきます。
シーン別のおすすめの食べ方①
大麦を朝食や昼食に取り入れることで、食後血糖の上昇をゆるやかにし、次の食事でも安定しやすくなる「セカンドミール効果」を期待できます。これは、最初にとる食事(ファーストミール)が次の食事(セカンドミール)の後の血糖値に影響し、血糖値の上昇を抑えてくれる働きのことを指します。大麦に含まれる水溶性食物繊維(β-グルカン)は消化吸収のスピードをゆるめ、満腹感の持続や糖代謝の安定にも役立つ成分です。
取り入れ方として続けやすいのは、白米に大麦を混ぜて炊く「ブレンドごはん」です。初めての方は5%混入から始め、慣れてきたら30%程度を目指すのが理想的です。実際に、30%混入の大麦ごはん茶碗1杯で約2gの食物繊維を補えるため、日々の腸活にも無理なくつながります。毎日の主食を少し変えるだけで始められる、続けやすい健康習慣としておすすめです。
シーン別のおすすめの食べ方②
日本人は以前から食物繊維の摂取不足が指摘されており、直近の【令和6年「国民健康・栄養調査」】でも、目標量に対してわずかに届いていないことが明らかになりました。このような「あと少し」の不足分を補う食材として役立つのが「大麦」です。水溶性・不溶性の食物繊維をバランスよく含むため、日々の食生活に取り入れるだけで自然と摂取量を底上げできます。
間食や補食は、この不足分を手軽に補える絶好のタイミング。ヨーグルトやスムージーボウルへのトッピング、クッキーやマフィンの生地への追加、グラノーラやシリアルバーへのアレンジなど、デザート感覚で楽しみながら食物繊維をプラスできる工夫が豊富です。大麦入りのおにぎりも活用しやすく、小腹満たしや運動後の補食に最適。無理なく大麦を取り入れることで、1日の食物繊維の摂取量を増やす習慣づくりにつながります。
身近な例を紹介!
牛たんと麦とろごはん
大麦の魅力をより身近に感じられる例として、昔から親しまれてきた組み合わせがあります。日常の食卓や地域の名物料理の中には、実は「大麦を取り入れる合理的な理由」が隠れており、その代表が仙台名物「牛たん定食」に添えられる麦ごはん、そして昔ながらの定番「麦とろごはん」です。
仙台の牛たん定食に麦ごはんが欠かせないのは、味の相性だけではありません。牛たんはたんぱく質が豊富で食べ応えがある一方、脂質も含むため、食後の脂質代謝に負担がかかりやすい側面があります。ここに大麦の食物繊維が加わることで、食後中性脂肪の上昇を穏やかにし、コレステロールの排泄にも役立つとされています。結果として、満足感と脂質代謝のバランスがとれた組み合わせとなります。
また「麦とろごはん」も昔から続く合理的な食べ方です。とろろの粘りとなめらかさが大麦の食感とよく絡み、食べやすく、胃腸にやさしい一品として親しまれてきました。食物繊維を含む大麦が加わることで腸内環境の改善にもつながります。
どちらも大麦が日常の食文化に自然と溶け込み、健康的な食べ方として根づいてきた好例といえます。
<本アンケート概要>
調査対象:Eatreat に会員登録している管理栄養士・栄養士
回答者数:111名
実施期間:2025 年 10 月
調査期間:Eatreat株式会社